登録外壁仕上基幹技能者

  • 登録外壁仕上基幹技能者検定制度について

     建設産業は、新しい競争の時代を迎え、建設現場では機械化や技術の進歩に対応した生産工程の効率化が進められるとともに、複合化・高度化した新しい技術が求められるようになっています。
    このような背景のもとで基幹技能者の資格制度は、国土交通省が「建設産業政策大網」(平成7年)以来、その整備を促進しており、平成8年「建設産業人材確保・育成推進協議会」において「基幹技能者の確保・育成・活用に関する基本指針」の策定がなされました。
     その後、建設生産をめぐる状況の大きな変化のなか、各職種の基幹技能者の認定方法等について協議・確認し、当面する諸課題について検討するため、基幹技能者制度を運営している専門工事業団体を中心とし、総合工事業者、学識経験者及び行政担当者も参画する「基幹技能者制度推進協議会」が平成18年7月に設立されました。
     そして、平成19年6月にとりまとめられた「建設産業政策2007-大転換期の構造改革-」では、「ものづくり産業を支える『人づくり』の推進」の施策として、「基幹技能者に対する経営事項審査の検討」が掲げられました。
     基幹技能者制度推進協議会で実務経験年数や基幹技能者の高度な作業能力を担保するための条件整備が図られ、平成20年1月には、建設業法施行規則が改正され、新たに「登録基幹技能者制度」として位置づけられました。同年4月以降に国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録基幹技能者の講習の修了者は、登録基幹技能者として認められ、経営事項審査においても評価の対象となりました。また、登録基幹技能者の配置が「総合評価」の加点対象項目となっており、元請企業の「優良技能者認定制度」における認定要件として、登録基幹技能者が活用されています。加えて、平成29年2月に開催された国土交通省の技術者制度検討会において、建設業法で定める主任技術者要件に、登録基幹技能者を位置づける方向性が提言され、平成30年4月正式に要件として位置付けられ、登録基幹技能者制度のさらなる活用の促進が期待されます。
     
    外壁仕上基幹技能者の育成のための教育訓練制度にあたっては、細部にわたり密度を濃く能力の向上を図り、OJT=On the Job Training(職場内訓練)に加え、OFFJT=Off the Job Training(職場外研修)を含めた一貫性を持たせたものとしました。
     また、外壁仕上工事業において必要とされる基幹技能者に求められる基本的能力は「労働生産性の向上、安全確保、品質の向上のための施工管理・指揮監督能力」等の施工管理技能の向上と技能者の社会的評価を高め生活の安定を図ることが本制度発足の大きな目的です。

  • 登録基幹技能者とは

     登録基幹技能者をひと言で説明すれば、熟練の技を持った技能者で、それに加えて、施工管理、品質管理、原価管理、安全管理等のマネジメントができる、技術的に能力も保有し現場の責任施行を担える優れた技能者のことをいいます。
     現場での施工の実情に精通し、現場における作業管理・調整能力を有することにより、現場での実態に応じた施工方法を技術者に提案・調整し、現場の技能者に対しては適切な指揮・統率を行っていく中核的役割を担う“上級の職長”と位置づけられる立場にあります。
     外壁仕上工事業に、いま最も求められる人材は、さまざまな情報を的確に判断し、多様な専門技術を活用し、品質並びに生産性向上を安全に推進できる能力と現場の管理運営に熟達した技能者です。

  • 登録外壁仕上基幹技能者の役割

     ① 現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整等、コスト・工程・工期に合わせた工事計画を立てる。
     ② 建設現場における元請の技術者(現場管理者)と一般の技能者のつなぎ役となり、現場作業管理を担当する。
     ③ 工事にあたっては、要求される品質等を正しく認識した上で、技術者との意志疎通を図り、工事計画や技術上の打ち合わせや工期・
       工程・コストの管理を行う。また、現場の状況に適した施工方法等の提案、施工計画の立案に加わる。
     ④ 技術者との打ち合わせ・調整のほか、現場作業の前工程・後工程に配慮した他職の基幹技能者との連絡・調整を行い、一般技能者に
       対する適正な配慮、作業方法、作業手順等を決め、安全基準を遵守した施工を指導する。
     ⑤ 異常事態や不具合が発生した場合は、技術者と協力し、すみやかに施工の点検、やり直しの指示を行い、資材の手配、人員配置等適
       切な処置を講じる。
     ⑥ 改修工事等においては、元請となった場合、発注者(オーナー・管理組合等)と綿密な打ち合わせを行う。また、周辺環境への影響・
       近隣対策を熟慮し、工事の内容・注意事項について周知徹底を図る。

  • 受験資格

    以下のすべてに該当する者
     1.外壁仕上工事(建設吹付工事等)の業務について10年以上の実務経験(その内3年以上の職長業務経験)を有する者
     2.次のいずれかに該当する者
        1)日本外壁仕上技能検定委員会が行う「外壁仕上一級技能者」に認定された者
        2)優秀施工者建設大臣顕彰(建設マスター)受賞者

  • 検定講習について

    2日間にわたり、近畿地区外壁仕上基幹技能者講習・検定が開催され、
        ・下地及び仕上に関する知識
        ・OJTに関する知識
        ・現場管理に関する知識 等の講習を受講し、最終日は検定に挑みます。

    ※当組合では、認定講習会を毎年開催しております。開催予定については、「活動報告」のページをご覧ください。
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